2008年7月12日土曜日

復讐

昨夜、駅の自動販売機でお茶を買おうとした。
財布の中を見ると100円玉1枚、50円玉1枚、10円玉2枚。
350mlのお茶は120円だったので20円を投入して、切りがいいので残りの100円分はSuicaで、と思ってかざしたが無反応だ。
融通が利かない奴だ、と思って仕方なく財布からお金をつまんで入れたら入れたのは50円玉だった。
まぁいいか、と思って100円玉を投入してボタンを押した。
するとお釣が出てきたのだが、なんと10円玉5枚が出てきたのだ。
てっきり私が入れた50円玉が返ってくると思ったのだが。
自動販売機は独り言のように呟(つぶや)いた。
「ああ!細かい金が一杯で重かったんや。ちょっとすっきりした」
「お前、ワシのこと融通利かんと思ったやろ?ちょっとした復讐(ふくしゅう)や・・・」

自宅でのトレーニングでは、ダンベルもよく使う。
通信販売で購入したもので、同じ重さのものが2セットある。
けっこう重く、引越しの時など引越し屋のにーちゃん(兄ではない)は、少し嫌な顔をする。
私もこれを使うときは結構気合を入れる。
「うんし、うんし!」
と、持ち上げて、
「さすがに12.5kgは重いなぁ」
と、長年思っていた。
ある日、気まぐれに体重計に乗せて驚いた。
15kg?!
なんと、長年勘違いしていたのだ。
不思議なもので、12.5kgだと思っていたダンベルが15kgだと思うと、ダンベルが急に前より重くなったような気がした。
ダンベルの復讐のように思えて仕方がない。
“彼ら”には、何も悪いことはした覚えがないのだが。

“復讐”という言葉を含む諺(ことわざ)は、欧米には意外とある。
Revenge is a dish that can be eaten cold.
SPACE ALCによると
“復讐は、冷めても食べられる料理。/復讐は、何時までたっても果たしたいもの。”とのこと。
同じような言い回しで、こんなのを何かで読んだことがある。
イタリアの諺だったと思うが、
“復讐という料理は、冷めた頃が一番美味しい”
さすがマフィアの国、というか、なかなかに含蓄(がんちく)のある諺だと思う。

これを聞くと、長い付き合いの人間ほど潜在的には恐ろしいと謂(い)うことになる。
小学校時代の友人で付き合いのある人間はいない。
高校時代、大学時代が要注意か。
いや、待てよ。
来年3月で、結婚20年だ・・・。

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