2008年7月16日水曜日

I STILL BELIEVE

今朝の朝刊に15段(1ページ全面)広告が掲載されていた。
ミュージカル『ミス・サイゴン』だ。

10年前の5月に、某経済団体の訪米調査団に加わった際、スケジュールの最後がニューヨークだったため、1日延泊してゆるりと過ごした。
一人でブロードウェイをブラブラしていると『ミス・サイゴン』の看板が見えたので迷わず劇場に入り、夜の公演を予約した。
S席で65ドルだったと思う。
笑った。
泣いた。
もちろん全編英語で、もちろん字幕なぞなかったにも関わらず、である。
(日本語同時説明ガイドテープの貸出しがあることが、劇場を出るときに分かったが、それを聞いて100%内容を理解しようとするのも無粋と云うもので、矢張り生の声を聴く方がよい)
21年前にもブロードウェイを訪ねて『スターライトエクスプレス』『オーカルカッタ』なぞを観たが、『ミス・サイゴン』は格段に面白かった。
カーテンコールの“演出”が、兎(と)に角(かく)素晴らしい、心憎いのだ。
DJで映画評論家の浜村淳の言い方を借りれば、まさに
“これでもか、これでもか”
と、いう感じで盛り上げて、公演の感動を心に焼き付けてくれるのだ。

あまりによかったので、何年か前にCDを買い求めた。
『Miss Saigon』
2枚組で、ほぼ全編カヴァーされていて、聴いていると瞼(まぶた)に浮かんでくる。
中でも一番好きな歌は“I STILL BELIEVE”だ。
「私の葬式で、出棺のときには是非ともこの曲を流して欲しい」
と、細君に頼んだのだが
「なに考えてんの。あなたのその能天気さとその我儘(わがまま)な性格で、私は苦労に苦労を重ねて私が早く死ぬに決まってるじゃない。娘たちに頼んどきなさいよ」
「なんの。佳人薄命と云うではないか」
と、云っても取り付く島もない。
姫たちに頼むと曲を取り違えられそうで、死んでも死にきれない。

日本公演は帝国劇場で明日から幕が開く。
S席は13,500円か。。。
行きたいなぁ。
行きたいなぁ。
そんなことを考えながら、キッチンで顔を洗っていると、誰かが私のおしりをピシッと叩いた。
石鹸で洗っていたので、目を開けられなかった。
思い浮かぶ容疑者は男子で2名、女子で3名いるので、捜査本部は5秒で解散し迷宮入りした。

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