2008年7月15日火曜日

役者やのぉ

島国根性って、言葉がある。
何かで読んだが、大昔の日本人は自分たちの国が“島国”とは知らなかったはずだ。
確かに!
では日本人が日本を島国って気付いたのは伊能忠敬以降ではないか。
しかし、地球的に見ると、大陸とて島である。

日経新聞の日曜版は、教養面が充実していて面白い。
一昨日の紙面の『語る』というコラムに英文学者の外山滋比古(とやましげひこ)氏が面白いことを書いていた。
いや、待てよ。
この名前。。どこかで。。
書斎の本棚を調べてみるとやはりあった。
『読み書き話す』という1980年発行の初版本を購入して読んでいた。
最初の方を読むと、ふむふむ、なるほど面白い。
いかんいかん。
買うだけ買って読んでいない本がけっこうあるのに、古本を読み返している時ではない。
将来、悠々自適の生活を送るようになったら、軽井沢の別荘でゆるりと。。。
“悠々自適”と“軽井沢の別荘”を持つのに、宝くじに当たることが条件なのが、ちとキツいが。
いや、3億円当たってもそれは無理か。

コラムの見出しは“日本で独創的思考をつむぐ”。
~外山も「英語を学ぶなら一度は本土の土を踏まなくちゃ」と何度となく説得されたが、今に及ぶまで日本を出たことがない。「百害あって一利なし」との確信があったからだ。「源氏物語の研究者は平安時代に行けるわけではないが、それでも研究はできる」~
その通りである。
島国なんて云う言葉そのものが僻(ひが)み根性だ。
要は創造力なのだ。

かの劇画の最高傑作『博多っ子純情』を生み出した長谷川法世氏は、あるインタビューを受けて、主人公が同作の中でラグビーをやっていたことから、氏も経験あるのでは、と問われて、こう答えたと云う。
「やったことないですよ」
「でも描写が具体的だ」
「じゃ、人殺しのストオリィを上手に書く人は、実際に人を殺したのか」

稀代の天才映画スタア、ブルース・リーは『燃えよドラゴン』で、その溢れる才能を世界に見せつけた。
本作が日本で公開されたときにはブルース・リーはすでにこの世にはいなかったので、いろんな伝説が一人歩きした。
“彼は世界一強い男だったのではないか”の類(たぐい)。
ある映画評論が当を得ていた。
“彼はスクリーンの中で世界一強く見えるように演じて演出した男だ”と云うもの。

私は、人から見ると随分と怠け者に見えるらしい。
しかも、スケベそうにも見えるらしい。
つまり私は天才役者なのだ。

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