昨日“野茂英雄が引退を表明”のニュースが駆け巡った。
新聞各紙も様々なコメントを載せた。
申し合わせたように賞賛記事だが、野茂のプロ野球人としての戦績は勿論のこと、大リーグのドアをこじ開けたチャレンジ精神を考えると真っ当な評価と云うものだ。
中でも印象に残ったコメント。
今朝の読売新聞のコラム『編集手帳』で、米国の作家ジョン・スタインベックの言葉
「天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である」
を引用して、称えている。
野茂は、
「普通は“これで悔いはありません”と言うのでしょうが、私は悔いが残る」
とコメントしている。
『編集手帳』では、スタインベックの言葉を単純に引用して野茂天才説を唱えるのではなく、“頂上からの眺望は眼中になし、少年の目は今も幻の蝶を追っているのだろう”と評している。
最近読んだ記事で、心を抉(えぐ)られるような言葉に出合った。
7月3日付の日経夕刊のインタビュウ記事。
《群れないで生きる》丸山健二さんに聞く
中にはこうある。
~丸山さんは、親しいノンフィクション作家の梯久美子さんが『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したときにこう忠告したという。「心の中に刺青(いれずみ)を入れなさい」。創作活動中は名誉・金・出世と無関係で、賞をもらったからといって舞い上がってはいけないと諭したのである。~
思った。
天才たりえない人間が、自らのプリンシプルを堅持しようと思ったら“心の中に刺青を入れ”なければならないのだと。
私にも天才を超えたいと云う矜持(きょうじ)はある。
心の中に刺青を入れるような覚悟はしていないが、名誉・金・出世さらに女性にモテることとも無関係で、賞をもらったわけではないがいつも蝶のように舞い上がっている。
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