2008年7月17日木曜日

汚れた英雄

最近やたらと周りに鬱(うつ)病が多い。
なのでカウンセラーを目指す人も増えているような気がする。
知り合いのシガニー・ウィーバー似の美女Iさんは、アパレル企業を辞めてその道に進み既に活躍しているし、後輩女子Hさんもその手の学校に通っている。
Hさんが、カウンセラーを目指す人のために配布しているらしき小冊子を貸してくれた。
帰りの電車でパラパラ読むと、こんな項が。
“あんなオヤジのようになりたくない”人ほど“あんなオヤジ”のようになってしまうカラクリ。
これはよくある話で、他人事ではない。
解説はこうだ。
要は“ああは絶対なりたくない”と、強く念じているため、いつもそんなことを考えている。
つまりいつもイメージしているのだ。
人はいつもイメージしている姿に近づくものらしい。
処方箋(しょほうせん)はこうだ。
なりたいと思う人、つまり目標人物のことを強くイメージすること、とのこと。

バイクのコーナリングに似ている。
バイクというやつは、ライダーが“見ている”方向に向かう性質がある。
マシンと一体なので、ハンドル操作をする四輪とは違うところだ。
なので、バイクのレースを見ていると分かるが、ライダーはコーナリングのとき、首をグイと曲げてキッとコーナーの出口を見ている。
歌舞伎の見栄のような首の向きだ。
私もモトクロスをやっていたので経験があるが、コーナーで思い切ってマシンを倒してコーナーの出口を睨(にら)みつけると、バイクはそっちへ向ってくれるのだが、恐いと思ってコーナーの外をチラと見てしまうと、たいがいそっちへ吹っ飛ばされる。

やはりどんな時でも、イメージすることは大切なようだ。
では、私は、なりたい人になれたか。
子供の頃は鉄腕アトムになりたかったが、なれなかった。
マジンガーZにもなれなかった。
タイガーマスクにもなれなかった。
真田広之になれたくらいである。
人生は甘くないのである。

じゃ、バイクのコーナリングよろしく、せめて好きな女の子を見続けよう。
恋の成就は叶わなくとも、ストーカーにはなれる。

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