2008年2月9日土曜日

播州地方

昨夜は美人セラピストのIさんとかつては東京の海を守り今は青葉城城主のSさんと久々の会食。
寒いのでおでんでもと探して訪問したのが八重洲口から近くの「ザ・おでん あきやま」。
奇を衒(てら)ったような店名だが、店内は地方都市の駅前食堂のような、なんとも懐かしい雰囲気で、ガヤガヤもしておらず、うるさいBGMもなくテレビがつけっぱなしで、気のよさそうなおやじさんとおかみさんの家族経営という趣き。
実に落ち着ける。

Sさんは仙台から“はやて”で向かってきており、最初はIさんとデート気分。
「東京駅で、見るからに不倫カップル!これからどっかに旅行か?っていう中年のカップルがいてね」
など、楽しそうにIさんが語る。
なるほど、ふむふむ、3連休に個室露天風呂のある旅館など、ハセキョーのような女の子と行ってみたいものである。

まずはキリンの生ビールで乾杯。
おでんタネは、関東では珍しい牛スジや焼き豆腐もあり、うれし涙がチョチョ切れる。
初めての店だが聞いてみた。
「おろしショウガをいただけませんか」
おかみさんが気安くすりおろしてくれた。
子供の頃からおでん(関西では関東炊きという)は、独特の甘辛いタレに浸してから食べていた。
店で食べる場合でも夜店の屋台であってもそういうタレが供された。
おでんに味付けがされていて、なんでわざわざタレ?などと考えたこともない。
家庭で作る場合はショウガ醤油が一番近い味かもしれないので、家で食べるときもショウガ醤油を準備する。
この店ではショウガ醤油はさすがに申し訳ないと思い、おろしショウガだけを頼んだわけだ。
ちなみに私はおでんに辛子を付けない。
ショウガもそうだろうと言われそうだが、辛子はおでんの味を変えてしまうからだ。
江戸時代から辛味には唐辛子や塩や大根などが用いられてきたが、ショウガも辛味には必須だ。
おでんに一番合う辛味は辛子ではなくショウガだと思う。

以前新聞で全国のおでんが特集されていたが、それを読んで驚いたのだが、なんとショウガベースの甘辛いタレに浸して食べるのは播州地方のごく一部だけらしい。
そんなディープな食べ方とは知らなかった。

Iさん、試してみてくれた。
「合う!これは新しい味だ」
と賛同、次々に来るタネに乗せて食べてくれる。
なんだかうれしいものだ。

早々にショウガがなくなった。
「すみません、ショウガの追加をお願いしてもいいですか」
「ごめんなさい、もうないのよ」
しょうがない。

0 件のコメント: