11月8日の読売新聞に“天敵のにおいで逃亡、哺乳類の先天的行動…東大チーム”の見出し。
記事によると、
~哺乳(ほにゅう)類が、天敵などのにおいをかいで逃げるのは、生まれつきの行動であることが、東京大の小早川高(こばやかわ・こう)・特任助教(分子生物学)らのマウスを使った実験で分かった。
こうした回避行動はこれまで、生まれた後に天敵に遭遇するなど危険な目に遭って学習するものだと考えられてきた。8日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。~
とのこと。
5年ほど前のことであるが、家族でハワイに旅行した。
旅先では動物園に行くのが好きなのであるが、ホノルル動物園はなかなかゆったりしていてよい作りである。
広場を歩いていたら、飼育係が大きな羊を散歩させていて、大人や子供が近寄って撫でている。
私も我が家の姫たちと近づき「かわいいねぇ・・」と撫でようとしたその瞬間、そのおとなしそうな羊が飼育係の持っていた太いロープをものともせず脱兎のごとく走って行ったのである。
飼育係は「Oh!」と英語で叫び、羊を追いかけて行った。
姫たちは納得するように「やはりパパの獣臭はすごい」と感嘆している。
姫たちは、よくそういう言い方で私の加齢臭を揶揄してきたが、さすがの私も「そうかもしれない」と思ったものである。
そして図らずも今回の記事がその論点を強化するものとなった。
やさしい動物から恐れられてしまう私であるが、不思議と猫からはあまり恐れられない。
野良猫は人間に対してかなり警戒心を持つものであるが、私が近寄ってもあまり逃げようとしない。
朝などゴミ捨て場に近づく猫の近くを歩いていると、むこうも歩調を合わせて横を歩いているくらいである。不思議なのでそのまま一緒に歩いていると、ある瞬間にハッとしたように私を見つめて「あっ、お前、人間だったのか?」という目でそそくさと離れてしまう。
学生時代のことであるが、夜にゴミ捨て場でゴミ袋に頭を突っ込んで何かを食べている猫がいた。
私は近づいていった。きっと気づいて逃げるだろうと思ったが、逃げない。
結局、手の届く距離まできたので、その猫の肩をトントンとたたいた。
さすがに猫もこの世の終わりのような顔をして猛ダッシュで去って行った。
不思議な経験であった。
どうやら私の前世はネコ科で、勇敢な虎だったようである。
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