わが家のキッチンにはテフロン加工のフライパンがふんだんにある。
戯れに数えてみるとザッと8枚もあった。
いろいろな大きさが取り揃えられているかというとそうでもなく、用途別に購入したわけでもなさそうであることは、供される料理からも分かる。
私がいつも強火で料理することに対して細君は
「そうやって強火で使うからテフロンが駄目になっちゃうんでしょ!」
と文句を言うが、強火でテフロンのフライパンを傷めることと、フライパンが溜まっていくこととはそれほど関係ないように思う。
開いた牛乳パックの山や冷蔵庫に死蔵されている食品群を見ると、どうも細君には“収集癖”があるようだ。
ちなみに私の「婿入り道具」とも言える中華鍋は、大学時代から使っているので、もう四半世紀を超えるが今でも現役だ。
もう一枚、これも鉄製のちゃんとした平たいフライパンも購入して20年近くになるが、使ったらすぐにタワシでお湯洗いして、強火で一気に乾かすことを怠らないので、使うほどに味が出る。
両方とも細君は焦げ目を付ける料理以外には好んでは使わないようで、専(もっぱ)らテフロンだ。
葛飾北斎は、浮世絵を描きまくって家が汚れると引っ越すことを繰り返して、生涯での引越しは90回を超えたという。
テフロン加工のフライパンを見ていると、細君は葛飾北斎の末裔かもしれないと思えてきた。
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