2008年1月2日水曜日

ワシらのフォーク村

『いつも見ていた広島―小説吉田拓郎 ダウンタウンズ物語』田家秀樹著(小学館)を読了。

喘息持ちの少年がやがてモンスターになる。
吉田拓郎というモンスター。
幕末の小説を読んでいるよう。
そう「竜馬が行く」を読んだときのような興奮。
「竜馬~」でもそうであったように、本書も隠し絵のように当時の「人物」が随所に。
世に出る前の森進一。
小学生の西城秀樹。
わくわく。
最後にはまだ高校生だった井庭啓子(拓郎の最初の奥さん)まで。
私が分からないだけで、きっともっとトラップがあるのかもしれない。

初恋の人に出会った時のような
そんな懐かしい
胸が熱くなる
そんな思いに
なるわきゃないじゃろが
ワシらのフォーク村

曲名は知らないが、拓郎のライブ盤で歌われた。
憶えやすいので、暗記している。

伝説の『つま恋コンサート』まで描かれているのかと思ったが、広島フォーク村の誕生秘話で終わった。
60年代の激動の時代をフォークソングの胎動を通して描いた。
いや、吉田拓郎の青春を通して。
いや、拓郎の下積み生活、苦渋、苦節を通して。
続編が楽しみな本である。

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