2008年1月28日月曜日

冬、来たりなば

他愛もないことを覚えていることがままある。

予備校時代に事務のおねーさま(姉ではない)O津さんからもらった年賀状にはこう記されていた。

冬来たりなば、春遠からじ

おそらく生徒には同じ文章なのだろうが(もし違って、他の男には♡など付いていたら、その男は許せないが)、浪人生にとってこれほど心に響く言葉はそうあるまい。
ましてやO津さんは女優の中田喜子似(知らないか・・)の才媛だったのだから、プラシーボ効果(“これはとてもよく効く薬で”などと嘘を言って飲ませて効果が出ること)も真っ青である。

早いもので来春で予備校を卒業(というのか)して30年になる。
今年の年賀状でも“30周年同窓会(というのか)やるよ!”と予備校時代の同級生(というのか)には宣言した。
25周年の時と同じく幹事をやらざるを得まい。
前回の25周年はO津さんがスキーとかで招聘には失敗したが、25年振りに集まったというのに男どもは
「なんでO津さん来てないの?」
と、私の存在をまるで無視して目を泳がせていた。
わざわざ東京から神戸まで駆けつけて幹事をしたというに、幹事の資質さえ疑っていた節がある。

次回はそのあたり万全を期さねばならない。
みんなの(男だけだが)浪人時代の甘酸っぱい思い出のためにも。

ちなみにO津さんから年賀状をもらったその年、けっきょく私から春は遠のき、もう一回冬を越すことになったのだった。

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