2007年12月3日月曜日

しゃんぷー

二姫が愛犬マメ(柴♀)を下の階から連れて上がってきて、自分の部屋にある寝床に寝かそうとしていた。
「ほう、もう寝かせるのかね」
と言いながら、シュッシュッと鏡に向かってシャドーパンチを繰り出すと
「もう!やめてよ!今日はシャンプーに行って疲れてるんだからね」
とプリプリしながらバタンとドアを閉めて部屋に入ってしまった。

常々親子のコミュニケーションを重視する私は部屋の中に向かって
「マメはシャンプーが好きなのかね」
と尋ねると、なんだか犬の寝床が騒々しい。
「もう!!パパが“散歩”なんて言うから興奮しちゃったじゃない!!ほら!心臓がバクバクして柵に前足掛けてる!どうしてくれんのよ?!」
「いつ私が“散歩”なんて言ったのかね。“シャンプーは好きなのかね”と聞いただけではないか」
「あっ!また“散歩”って言った!!それにさっきも“散歩”って言ったでしょ」
「おかしな子だ。“シャンプー”とは言ったが“散歩”とは言っていない」
「もういい!ベランダで少し遊ばせるよ、もう!」

階下に下りて細君に「いやぁまいったよ」と事情を話すと
「あなたの滑舌(かつぜつ)が悪いからよ。夜遅くに余計なこと言わないでよ」
「シャンプーを散歩と聞くほうが耳がどうにかしているのではないのかね」
「犬が都合よく間違える訳ないでしょ。もう!マメ寝かせる時間なんだから余計なことさせないでよ!」

彼女たちは犬をみくびっている。
米寿くらいまで生きて天寿を全うした祖父は、耳が遠かった。いや遠い振りをしていたと思う。耳のそばで大きな声を出さないと聞こえないはずなのに、隣の部屋で小声で言った悪口は必ず聞こえているのである。
マメも私の“シャンプー”を都合よく“散歩”と聞き間違えて「あわよくば」を狙って騒いだだけなのに。。。
まことにこまった女たちである。

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