2007年12月28日金曜日

マフラー

私のマフラーはいわく付きである。
カノジョからもらったわけではない。
ショウウィンドーで一目惚れして買ったわけでもない。

7、8年前に拾ったのである。
居酒屋で、隣の席の人の忘れ物ではない。
公園のベンチに放置されていたのを失敬した、というものではない。

道端に、文字通り落ちていたものを拾ったのである。

経緯を書くと、冗漫になるので詳しくは書かないが、要は友人T氏と女子2名で、上野で飲んだあと
「寒いなぁ」
と、歩いていたら、T氏が
「お前、マフラーもしてないのか」
と、言うや
「おっ、こんなとこにマフラーがある!」
と、言って上野精養軒あたりの植樹に引っ掛けてあったマフラーを持って、私の首に巻いたのである。
いくらなんでも、そんなものを使うつもりはなかったが、
「あっ、あったかい♪」
と、不覚にも受け入れてしまった。。。

そんなマフラーなのである。

だから、思い入れがない。
ところが、思い入れがないことによる効用もある。
まず、どこかで忘れそうになっても気にならない。
そのへんで、落としてしまってもかまわないと思う。
食事時はナプキン代わりに口が拭ける。
風邪気味の時は鼻水が拭ける。

しかし、不思議なもので7、8年も使うと愛着が湧いてくる。
この冬も使い始める時に、拾った経緯を思い出しながら、慈愛に満ちた目でマフラー凝(じっ)と見た。

あっ!!!
発見!!!

繊維が弱って、穴が開きそうになっている●

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