2007年12月31日月曜日

啄木

至れり尽くせり、石川セリ
・・・こんな戯言(ざれごと)を書いても反応してくれる人も少なくなった2007年も、あと1時間足らずで終わる。
至れり尽くせり、とまではいかないが、その類(たぐい)のサービスや環境を求めるぬるい旅人になりつつある。
そんなことを実感した今回の旅。

昨夜は、部屋に戻ってから二人用コタツをどけて、せんべい布団をセットした。
エアコンの暖房を「強」にしても全然効かない。
カーテンがなくブラインドだけの大きな窓から冷気が。
狭い洗面所との間にあるドアに曇りガラスが、と思ったら網戸の網、廊下からの冷気が。
歯磨きをするが、当然お湯が出る蛇口はない。
トイレは部屋に備え付けだが、寒い!和式トイレ。
寝ようとするが、寒気団が窓をガタガタ揺すって、なかなか寝付けない。

ペアレントの大本さんの言葉をいろいろ思い出す。
「法律を守ると、人間関係がおかしくなる。特に血縁関係は。三人兄弟が財産を巡って法律通り三分の一を要求したらどうなる?長男は家や墓を守るんだよ。弁護士は、“法律を守らせて”金を稼ぐのよ」
32年前、38歳だった大本さんは遠い存在の人だったが、今はユースホステルの経営について話ができるし、財団法人ユースホステル協会の改革について公益法人改革の観点から議論もできた。

今朝、朝食のあとにもテーブルにやってきてくれた大本さん。
インスタントコーヒーを振舞ってくれ昨夜の続き。
「君たちが来てた頃はね、、、」
と話す内容は昭和50年頃、国内にユースホステルの会員が70万人いて、ユースホステルが500軒あった頃の話。
「今こそ改革が必要でね、、」
と話す内容は、ユースホステルの会員が6万人になっても、ユースホステルは400軒あるこの現実の話。

9:45頃、軽トラで送ってくれるという。
10:03の高速バスに間に合うように。
しまなみ海道を望みながら瀬戸田PAに登っていく。
瀬戸内海が眩しい。
子供の頃は、本州側からであるが、海といえば瀬戸内海しか知らなかった。
今は太平洋沿岸に住んでいる。
子供の頃からの雑煮の味が忘れられないように、海への憧憬も同じ景色を求め、心を揺さぶるのか。
大本さんと握手、また会う日まで。

高速バスは予定より少し遅く11時頃に福山駅に着く。
予定通り『草戸千軒町遺跡』の中世民家を復元したという広島県立博物館に出向く。
・・・休館日
さもありなん、けふ(今日)は大晦日(おおつごもり)であった。。。

新幹線で、昨日から読み始めた『いつも見ていた広島―小説吉田拓郎 ダウンタウンズ物語』田家秀樹著(小学館)を開く。
夢中になって、在来線に乗り換えてもまた開く。
ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく
なぜか、石川啄木の歌を思い出した。

本を閉じた。

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