2007年12月23日日曜日

Jack Daniel’s

12月19日(水)の日経夕刊コラム“明日への話題”に脳研究者(こんな職業あるのか?)池谷祐二氏が「英語カタカナ術」と題して面白い話を書いていた。

10代になって英語を習い始めても正確な発音はほぼ絶望的でカタカナ英語になってしまう。しかしカタカナ発音がまったく通用しないかというとそんなことはなく、工夫すれば意外と通じる。
たとえばanimalはアニマルではなく「エネモウ」、hospitalはホスピタルではなく「ハスペロウ」と発音すればよい。同様にしてCan I have・・・はケナヤブ

等々とのこと。

30年前の予備校(神戸YMCA予備校)の英語の授業を思い出した。
まだ若い教師であったが、なかなかに造詣の深いことを言っていた。
授業の最初に黒板に
“私はうなぎです”
“ピーポ”
と書き、やおら始めた話は
「日本語は面白い。“あなたは何が食べたいですか?”という問いに対して“私はソバが食べたいです”という人がいたら次の人は“私はうなぎです”という会話が成立する。英語では考えられない。つまり英語で“私はうなぎです”は“私は人間ではなくうなぎです”ということになってしまう」
とのこと。他愛もない話のようであるが、なるほど、である。
同じ時間帯にその教師は、
「英語の発音なんていいかげんなもので・・」
と続け、
「この“ピーポ”ってなんやと思う?これはな、peopleの正しい発音なんや。スコッチの水割りなんかも、スコッチ・アンド・ウォーターなんてゆうたって通じひんで。スカチンワラ。こう言わんと絶対通じひん」
と。
神戸YMCAには面白い教師が多かったが、この教師も例外ではなかった。

それから数年後、米国旅行に行ったときに、その話が正しかったことを思い知ることになる。
あるバーに一人で行き、気取って
“JackDaniel’s on the rocks.”
と言ったが通じない。
何度言っても通じない。
しょうがないので、JackDaniel’sを指差したところ
“Ohhhh!ジャアダニヤ!!”
心の中で
「ジャアダニヤ、やと?!」
と、呟(つぶや)きながら、笑顔で
“Sure!”
と、一言。
ハンフリー・ボガードを気取って、グラスを傾けた。。。
ふぅ、、ボギーになるのも大変である。

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