2008年4月4日金曜日

五七五

20歳も年長の大先輩Mさんに最近俳句の校正を頼まれるようになった。
五七五の限られた文字数で季語も入れなければならないため、なかなかにおもしろい。

昨日Mさんが泉岳寺に行かれた際、地下鉄泉岳寺駅から出てきた人に、泉岳寺までの道を聞かれたとのことで、教えてあげたことを句に詠もうとされていた。
“国訛(なま)り”という言葉も入れようとされていたので、道を聞いてきた人はおそらくMさんと同郷の九州の方だったのかもしれない。
泉岳寺は4月1日から義士祭(ぎしさい)が始まった。
浅野の殿様の命日の3月14日の旧暦に合わせているのだろう。

どことです こちらとですよ 義士祭(ぎしまつり)

義士祭は春の季語であるが、、、、
(><)素人が作るとこうなる。。。

それにしても時々俳句のことが心配になる。
何故なら基本的に俳句は17文字であるから、いつかは新作が生まれなくなってしまうのでないかと思うのだ。
スーパーコンピュータを駆使して、

あああああ あああああああ あああああ

から、始めて、50音を組み合わせていって

んんんんん んんんんんんん んんんんん

までで理論上は出尽くすはずだ。

勿論、字余りや字足らずも考慮しなければならないので、さらに増えるが、日本語として成立していなければならないので、かなりの句数は捨てることができる。
また季語も入っているかどうかで、メッシュがかけられる。
それでも、屹度(きっと)膨大な数になるのだろうな。

野畔(あぜ)の草 召し出されて 桜かな

特攻隊員と鹿児島の知覧で彼らを見守って特攻の母と呼ばれた鳥浜トメさんのことをモチーフにした『ホタル帰る』赤羽礼子・石井宏著(草思社)には、こう解説されている。
~平時であれば自分は一介の野の草だが、特攻兵に選ばれて桜になることができた、というこの辞世の句は、原田栞(しおり)少尉の作で、いま自筆の短冊が知覧の特攻平和会館に展示されている。~
私はこのように胸を衝き上げるような句に出会ったことがない。

俳句を50音の組み合わせだ、と考えること自体、無粋の極みだ。

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