2008年4月20日日曜日

少年探偵団

今日4月20日は、高校の時に好きだったS田さんの誕生日である。
好きだっただけで、完全に片思いで終わったことをここに付しておく。
最近の有名人で云うと、テレサテンに少し似ていた。
S田さんは、わが淳心学院の隣の女子高K女学院に通っていた、美しい女生徒であった。
そんな彼女も今日で48歳である。

高校時代に私が心を奪われたあとに、同級生のK橋も懸想(けそう)するようになり、私のライバルになった。
純粋な心の持ち主である私に比べて、K橋は少し世間にスレたところがあり、また高邁(こうまい)な志が顔に表れた私と違い、彼は軟派なところがあったので、K橋に分(ぶ)があったように思う。
そんなK橋とは、なぜか腐れ縁で、パイロットの『3776』と云う万年筆が発売されたとき、同時期に買っていたことがあとで分かったし、吉田拓郎の5本組ビデオもそうであった。
また、同じく二浪したことも悲喜劇である。

S田さんとは、渋谷で24、5年前にK橋と3人で会ったのがおそらく最後だ。
もし彼女に子供が出来ていたら、子供は最後に見た彼女の年齢に達しているかもしれない。

数年前のこと、同級生H原の姉がK女学院のOGなので、OG名簿でS田さんの連絡先を探してもらった。
あった。
結婚してN川さんになっているとのこと。
そうか。。。
K橋にある相談を持ちかけた。
「連絡取って会いに行かんか?」
「うーん、、、行こう!」
「よし決まり」
「そしたら俺が電話してみるよ」

おばさんになってしまったS田さんに会いたかった。
そして時の流れを感じて、青春の1ページを捨てたいような、心のささくれを抜きたいような、複雑な思いだった。
ほどなくK橋からメールが来た。
電話したけど、社宅っぽい反応で、確かにその番号のところにいたようだが、引越したようだったので、それ以上は訊けなかったとの由。

こうして二人の少年探偵団の企ては未遂に終わった。

私の青春への純粋な思いとは裏腹に、K橋は不倫を画策していたのではないかと思えてならない。
いや、もし娘さんがいたら、そこに照準を定めるつもりだったのかもしれない。
未遂に終わってよかったのだ。
いや待てよ、K橋のことだから、本当はあの電話番号で合っていて、一人でさっさと会いに行ったのかもしれない。

こうなったら、一人少年探偵団である。

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