2008年4月30日水曜日

味噌餡

お昼を買いにスーパーに行った。
催事コーナーで柏餅(かしわもち)を売っていた。
もうそんな季節か。

子供の頃、端午の節句の前になると、祖父は山に入っていって柏の葉を取ってきた。
母は餡(あん)を炊いてくれて、米粉で作った餅に餡をくるんで、さらに柏の葉で包んで蒸し上げる。
今思うと、柏餅は各家庭で作るものだったし、ましてや柏の葉まで当たり前のように山から調達してきていた。
そういえば祖父は手先が器用で、年末になると家の田んぼで残った藁(わら)を編んで正月のお飾りを作っていたし、山の中のことも熟知していて、鏡餅に敷くシダの葉なども山から持ち帰っていた。

おはぎを作ってくれるときは、つぶ餡だったが、柏餅の時は決まって漉(こ)し餡だった。
であるから、今でも柏餅は漉し餡派だ。

昨年の今頃、後輩女子Kさんは、味噌餡が好きだという話を聞いた。
???
なんや、そりゃ、と思った。
播州地方には存在しない。
試しに買って食べてみた。
悪くない。
味を表現するなら“味噌味の餡が入った柏餅”だ。

お昼を買ったあとで、漉し餡2つと味噌餡1つ買って帰った。
後輩女子KさんとKちゃんに味噌餡と漉し餡、それと私に漉し餡だ。
子供のときの味覚は、そう簡単には変わらない。

柏の香りが鼻腔(びこう)をくすぐると、赤穂の山が浮かんだ。

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