2008年5月3日土曜日

ストラディ・バリウス

1700年代初頭、アントニオ・ストラディバリによって製作されたヴァイオリンも名器ストラディ・バリウスはあまりにも有名である。
現代工学によって正確にそのフォルムを再現しても、製作当初は見事な音を奏(かな)でるが、経年とともに音が劣化してしまうところが、本物の妙と聞く。
・・・が、真偽のほどは定かではない。

今宵食したパスタは、茅ヶ崎では美味しいということで有名とのことだが、確かに出来たてを食べると程よいアルデンテで美味しかった。
・・・が、少し時間を置くと粉っぽくなって、平凡な味になってしまった。
今は閉店の憂き目に遭ってしまった都立大学の名店『Vegetable Magic』の見事なパスタはそんなことはなかった。

数日前、高校同級生K橋からメイルが来た。
「金はないが、閑(ひま)はあるので遊ぼう」
今日、茅ヶ崎駅で待ち合わせた。
13時待ち合わせ、の予定だったが、相模線沿線の僻地に住むK橋から
「電車に乗り遅れた。13時15分に変更頼む」
とのメイルを受信し、本屋で時間を潰(つぶ)し13時15分に改札で会った。
喫茶店2軒をハシゴし、イタリアンの“名店”で食事をして、茅ヶ崎駅に22時半頃に行った。
・・・が、時刻表を見ると、彼の次の電車は22時49分!
マクドナルドでまた喋り、改札で別れたのが22時46分。
一緒にいた時間、都合571分。

“味”が劣化することなく、長時間に渡って空気を共有することができる間柄だ。
これは、私とK橋の互いが熟成した人格を有し、且つそれぞれが確立したprinciple(主義・信条)を有する“本物”の人物である証左であろう。
・・・ということは、断じてなく、二人とも単に金がなく、閑があっただけである。

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