2008年5月16日金曜日

蹴りたい背中

昨年、花王石鹸のミュージアムを訪問したら、顔の皮膚の状態を測定する機械があった。
好奇心旺盛な私であるから、早速測定してもらった。
判定は[オイリー]&[乾燥]。。。
案内してくれて、測定機器を操作した女性は説明を躊躇(ちゅうちょ)していたが、どうやら私の顔は油っぽくて、干からびているということのようだ。

まぁ、そういう顔なので、タオル地のハンケチを持参して、時間があれば一日に数回は顔を洗うようにしている。
石鹸も使わず、ただの水でだが。
今日も給湯室で顔を洗って拭いていると、人の気配がした。
頑固だが美人の後輩女子Oがやってきて、凝(じつ)と私の臀部(でんぶ)を見つめている。
屹度(きつと)フリオイグレシアスか誰かと勘違いしているのだろうと思ったが、Oは呟(つぶや)くように云った。
「そのおしり見てると、無性に蹴りたくなるんですよね」
「まるで芥川賞やな」
「は?」
「ほら、綿矢りさの小説でそんなこと云ってた。あれは“おしり”ではなく、“背中”やったけど」
「まぁ、とにかく蹴りたくなるんですよ。このスカートじゃ無理だけど」
そう云うと、不敵な笑みを浮かべて、去って行った。

オフィスに戻るとキュートで清楚な後輩女子Nちゃんが、保険会社かどこかが発行している無料の小冊子を配ってくれた。
パラパラとめくると、日立の広告頁(ページ)が。
“あの木なんの木、気になる木”の、あの木が載っていた。
私はNちゃんに
「あっ、ここ5年前に行ったんやで」
「へぇ~っ!ここって岩手ですよねぇ」
「・・・いや、確かにイワテと同じ三文字やけど、オアフなんやで」
「へぇ~っ!ここってハワイなんですか?ずっと岩手だと思ってました~(笑)」
「・・・なんでまた岩手やと?」
「えぇ~っ?!なんとなくですぅ~」

OはこんなNちゃんの先輩で、一緒に仕事をしている。
良くも悪くも対照的。
宝塚で云うと、男役と娘役か。
世の中、うまく出来ているものである。

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