Newsweek2008-4・9号のコラムTOKYO EYEに“Hidden Tastes Exposed もう世界に隠せない居酒屋で味わう隠し味”と題してMark Robinson(マーク・ロビンソン)氏が、都内の居酒屋2軒を紹介していた。
そのうちの1軒、恵比寿の『さいき』にお邪魔してきた。
相手は、殿方から惜しまれながらも人妻になってしまったが、変わらずS出版で良書を生み出す宮崎美人の編集者Hさん。
昨年の12月5日以来、久しぶりの再会だ。
入店すると、ネットに書かれていた通り
「いらっしゃいませ」
ではなく
「おかえりなさい」
と云われる。
席について飲み物を注文すると、ネットに書かれていた通り、お通しが3品供される。
今夜は、アスパラを湯がいたものにマヨネーズドレッシングがかかったものと、烏賊(いか)を炊いたものにおろした生姜が添えられたもの、それにお造りは湯引きした鯛が一切れと烏賊だ。
まぁまぁいける。
ネットに書かれていた通りの凍結酒を注文して飲んだ。
以前、古酒を凍結させたものを飲んだときは感動したものだが、こちらは普通の酒を凍結させたものなので、単に普通の酒の味だ。
それにしても、ネットに書かれていた通り、常連のための店だ。
一見さんが冷遇されるという意味ではなく、常連がこの店をなにやら拠り所にしているような雰囲気で、“家庭は大丈夫か?”“仕事は大丈夫か?”と心配したくなる。
余計なお世話か。
常連が入店し、退店するたびに
「おかえりなさい」
「行ってらっしゃい」
と店主や店員が声を掛ける。
聞いているうちに、店の外にトイレがあって、そこに出入りしているように思えてきた。
大きなお世話か。
9時過ぎになって河岸(かし)を変えたくなった。
Hさんに
「ギネスの美味い店があるのでいかがですか」
と云ったら快諾して呉れたので2軒目へ。
おそらく6、7年振りになる『What the Dickens!』へ。
相変わらず混んでいた。
そしてこの非日常空間が愉しい。
この店ではタバコが煙いとか云ってられない。
ロックの生演奏が響き渡る。
ギネスが美味い。
あっ!
いかん!
一寸(ちょっと)ロマンチックだ。
下心と云うものは、男たるもの常に携行していなければならないが、この店の選択にあたっては、それは意図していなかったので、複雑な気持ちになる。
などと勝手な妄想を抱きつつ、11時が過ぎたので退店。
Hさんは、遅くまで働いている旦那さんと待ち合わせるとのことで、反対方向の電車に乗って行った。
後ろ姿を見送った。
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