2008年6月6日金曜日

「帰りたくない」

今宵は、ある経済団体の嘱託職員で熟女のMさんとご一緒させていただいた。
Mさんの飲み友達と云えば、定番は大手出版社の経営者や大手企業幹部なので、私は“異色”だ。
6時半に神田『ひさご』へ。
この店はMさんが何度か利用したことがある店とのことで、誰かの紹介がないとなかなか行けない。
会員制で入れてもらえない、なんてことはなく、なかなか辿(たど)りつけない路地裏にある。
今宵のMさんも少し迷ったくらいだ。
私から、以前から一度連れて行ってほしいとMさんにお願いしていて、やっと実現した。

Mさんが云っていた通り、、、目立たない。
そして狭い店内。
飾りっ気がない。
品書きは、殆どが魚、そして数品の玉子焼きや天豆(そらまめ)などの簡単なお惣菜。
麦酒をいただき、すぐに熱燗に進む。
天豆が美味い。
カンパチが美味い。
ホッケが美味い。

Mさんは日本の社史研究の第一人者でもある。
そして1966年から高度経済成長時代の真っ只中で、経済団体という立場上、多くの大企業の経営者を間近に、それも女性であることがむしろ幸いして阿(おもね)ることなく職務を全うしてきたので、コメントは辛口で、飽きない。
社史論はもちろん、世に出ている書籍に関する話や、作家論など、互いに話は尽きない。
あっ、という間に10時半だ。

「あ~あ、家に帰りたくないな」
Mさんが悪戯っぽく笑う。
「これ云うと、こないだ一緒に飲みに行った経営者もあせるんですよね。でも、私の部屋はリフォーム中なので、本当に狭くって、帰りたくないんですよ(笑)」
外に出る。
Mさんは、大手町から地下鉄で帰られるとのこと。
私は神田駅へ向かう。
急に空腹を覚えた。
九州ラーメンの看板が見えた。
ビールとラーメンを注文した。

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