後輩のアメリカ人S君とはトイレで時々挨拶する程度だったが、今日の夕方の珈琲タイムに初めてゆっくり喋った。
米国留学経験もありTOEIC900点超を誇る東京人I君も一緒だった。
会話の内容は日本語で表記しておく。
私「S君、君の手には拳(けん)ダコがあるようだが、空手でもやっていたのかい」
S「はい、そうです。アメリカにいるときに」
私「私も少しやっていたのだよ」
I「ははは、じゃあ対決すればいいじゃないですか」
私「流派は?」
S「剛柔流です」
私「私は円心(えんしん)だ。本部はコロラド州デンバーにあるのだよ」
I「ははは、円心は知らないでしょ」
私「一応、極真の流れなのだけどね」
S「Oh!極真は空手じゃないです」
I「ははは、云われてますよ」
私「伝統空手からすると確かにそうかもしれない」
S「もうキックボクシングに近いですよね」
私「うん、それに至近距離で殴り合ってるの見てると相撲にも見えてくる」
I「ははは、さすがに相撲の決まり手に、回し蹴りはないでしょ」
久しぶりの武道論、それもアメリカ人とできるとは思わなかった。
ちなみに“会話の内容は日本語で表記しておく”とは書いたが、会話は日本語であったことは付しておこう。
S君は、めちゃ日本語が堪能で、下手すると私よりも上手い。
日本好きのS君、日本に来てからは剣道と居合いの3段を習得したとか。
空手はアメリカで初段だったとか、大学時代は柔道もやっていたとか。
ひょろひょろに見えたのだが、なかなかやるじゃないかね。
「空手は、お金儲けばかり。他流派に行くと白帯からやり直し。剣道で段位を取ると、どこに行っても有段者」
なかなか的を射るようなことを云う奴だ。
確かに今の空手界は、拝金主義が支配している。
英語もたまに入れて会話していたので、語学力の話から、英検の話になった。
私「私の英語も所詮(しょせん)は3級?いや違った2級やからなぁ」
I「ははは、3級ってことはないでしょう」
私「うん、2級、2級。大学のときに力試しに取った」
S「えっと、2級のひとつ下は、何級ですか?」
私「うん?3級」
S「You're welcome.」
私「???ああ!サンキューか。しかしなぁ、これはSank youや。ありがとうは、正しくはThank youや。英語の発音はちゃんと覚えなあかんで」
S「Oh!スミマセーン」
私「こやつ、白人やのに、ボビー・オロゴンみたいやなぁ」
とはいえ、顔は典型的英国紳士のような上品な顔立ちだ。
江戸時代にどこかの港に流れ着いたりしたら、その辺一帯では間違いなく天狗伝説が伝わったであろう、鼻筋の通った端正な顔をしている。
I君によると、S君は兎(と)に角(かく)肉が好きで、店なぞはT.G.I.Friday'sが好きとのこと。
そんなとこよりも、もう少し気の利いた店に誘ってやろうじゃないか。
アメリカ人と一緒にいるというだけで、ひょっとしたら、モテるかもしれないからな。
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