2008年6月24日火曜日

I’m home!

犬と云うものは、家人が帰ってきても間違えて吠(ほ)えることがある。
今夜もそうだった。
私以外の家人には間違えて
「ワン!」
と、ひと吠えするくらいであるが、私には
「ワン!ウ~、ワン!ウ~ウ~ウ~」
と、唸(うな)り、ガラス戸の向こうの私の姿を捉えてからも、ひと吠え
「ワン!」
と、とどめを刺してくれる。
私が部屋に入ってやっと落ち着く。
まったくIQの低い犬である。

10年くらいも前の話であるが、皆でスキーに行った帰りに、車だったので、一緒に行っていた美女Sさんを家に送り届けた。
鵠沼のパン屋さんである。
店の中に入ろうとすると、そこで飼っている犬が異常に吠え付いてきた。
同行の会計士K嶋さんが
「よしよし」
と、云うとそこの犬は尻尾を振っている。
私も同じように
「よしよし」
と、云いながら近づくと、犬はいきなり臨戦態勢に入り、K嶋さんが横にいることも忘れて、ガウガウと歯を剥(む)き出しにしてくる。
Sさんは
「あらあら、いつも人懐っこいのにどうしちゃったのかしら」
と、驚いている。
明らかに私を敵だと思ったようだ。
あの犬も屹度(きつと)IQは、絶望的な数値だったに違いない。

笑顔が太陽のように輝く妙齢の美女Yさんが、今春大阪に旅行したときのこと。
彼女は、兎(と)に角(かく)人との交流が好きだと云う。
なので、そのへんに立っている人に話しかけて、よく話し込んでしまったとのこと。
素晴らしい人間愛に溢れる娘、Yさんなのである。
私には真似できない。
年を経るごとに、世俗から逃げようとしている自分に気づく。

“犬、犬好きを知る”と云う。
“猫、猫好きを知る”と云う。
そして“人、人好きを知る”のである。
嗚呼、私は隠遁(いんとん)したい。

それにしても、、、、、
我が家の犬の、あまりに執拗(しつよう)な吠え方で
「あっ、パパが帰ってきた」
と、家人が判断するのは一寸(ちよつと)考えものだ。

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