秋葉原で悲惨な事件が報じられている。
わけのわからん男が、トラックで歩行者天国に突っ込み、おまけにサバイバルナイフを振り回して、7人を殺(あや)めたとのこと。
このような凶悪な事件は、心から憎まなければならないのだけれど、麻痺している自分に驚く。
どこか遠くの国の出来事のような気がするし、あるいは日常茶飯事で驚くこともないのかとも思う。
30数年前のことだったと思うが、大学生が強盗をやって大騒ぎになった。
当時の大学生は、それくらい世間から認められていた。
高石ともやの1968年の大ヒット曲『受験生ブルース』を、“そんなに苦労して大学生になりたいか”という意味を込めて、高石は少しアレンジして“強盗やってる大学生♪”と挿入して大喝采を受けた。
その後、警察官が犯罪に手を染めたといっては大々的に報じられ、やがて医者、弁護士、公認会計士と、まさに犯罪者の職種に聖域がなくなっていった。
昔は尊属殺人と云って、両親や祖父母などを殺害することは、通常の殺人よりも罪が重くなっていたが、1973年に違憲判決が出てその“垣根”はなくなった。
誰が誰に何をしようと、平板になってしまった。
際立たなくなってしまった。
蟻(あり)の隊列を踏み潰すと大騒ぎになる。
しかしそれは束の間で、生き残った蟻は、あとは何事もなかったように、餌(えさ)を運ぶ隊列を取り戻す。
内戦の続く国も蟻の王国も、現象面ではさほど変わらないかもしれない。
とすれば、日本は内戦状態なのか。
知らず知らずのうちに。
概(おおむ)ね平穏な日常なのに。
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